素材の種類と性質

 

PVAスポンジの気孔構造身の回りに存在する一般的なスポンジは、主として、化学発泡方式によって製造され、それぞれの気孔が独立した構造になっております。これに対しアイオンでは、独自の製造方式、”抽出法”を採用することによって、気孔同士が網目状に繋がった連続気孔構造による特徴あるスポンジとして商品展開を進めています。
また連続気孔構造を形成する技術をベースとして、さらに気孔径の調整や様々な材料への適用に加え、研磨材や熱硬化性樹脂等の他の機能材との複合化技術によって細かなニーズへの対応を図り、液体をコントロールする用途を主体としながらも、構造や特性を利用した特殊用途まで、ニッチな市場における機能性の高い材料として利用されています。

機能(キーワード)

①吸水・吸液 ②塗布(給水・給液) ③洗浄 ④保液(吸蔵・含浸) ⑥拭き取り ⑦搬送⑧ろ過 ⑨消音 ⑩研磨 ⑪担持(脱臭・廃液処理)
独自製法を核としつつも、多種多様な要求に応えるべく、これまでの技術蓄積の応用はもとより既成概念を超えた柔軟な発想をもってあらたな開発に取り組んでいます。

PVAスポンジ

ポリビニルアルコール系スポンジ ※材質:ポリビニルホルマール樹脂(PVFM)

ポリビニルアルコール系スポンジ ※材質:ポリビニルホルマール樹脂(PVFM)親水性が高いポリビニルアルコール樹脂(PVA)を主原料とするスポンジです。
架橋密度のコントロールや樹脂の使用により、以下の3種類をラインナップしています。

低ホルマール品

(商品名:ベルイーターDシリーズ、ベルクリン、シグナスローラー、ブラシローラー、マイクロブレス ソフトタイプ、プラスセーヌ、水滴ちゃんとクロス、超吸水スポンジ)

低ホルマール品の特徴・優れた吸水性と、含水状態における柔軟性/弾力性を有しており、吸水材、洗浄材、清掃材、化粧材等に使用されています。
・乾燥すると収縮と共に硬化しますが、含水させると再び軟化いたします。
・商品形態としては、含水状態のウエット品(柔軟)と乾燥状態のドライ品(硬化)があります。


高ホルマール品

(商品名:ベルイーターAシリーズ、マイクロブレス ハードタイプ)

高ホルマール品の吸液性について・水との接触においては積極的には吸収せず、柔らかくなりません。
・用途としては微細な連続気孔を応用した空気や液体のフィルターまた、油・インク等の吸収材・吸蔵体に使用されています。


樹脂処理品

(商品名:カネフィール、ミクロライト、クリスタル砥石/バフ)

樹脂処理品 製品例・PVAと熱硬化性樹脂(メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等)とを複合した硬質なタイプです。
・上記2タイプに比べて寸法安定性と耐薬品性が優れており、液体用カートリッジフィルター、研磨材、固液分離用ろ材として使用されています。


PUスポンジ

ポリウレタン系スポンジ (商品名:ソフラス)※材質:特殊ポリウレタン樹脂(PU)

ポリウレタン系スポンジ (商品名:ソフラス)※材質:特殊ポリウレタン樹脂(PU)親水性を有する特殊なポリウレタンからなり、極めて微細な気孔構造を有しています。 乾燥/湿潤いずれの状態においても柔軟な風合いを示し、吸水性/保液性にも優れています。

・柔軟弾力性を有しており、ワークへの追従性に優れています。
・100℃以上の高温環境下(乾/湿熱)でも使用できます。
・塩類を含む水溶液に対しても性状が安定しており、酸やアルコールにも耐性を有します。
・耐摩耗性も優れており、ロングライフ化にも寄与します。
・硬度や気孔径のバリエーションに加え、導電/抗菌などの機能性タイプも取り揃えています。


POスポンジ

ポリオレフィン系スポンジ (商品名:ピオラス)

ポリオレフィン系スポンジ (商品名:ピオラス)優れた吸液性に加えて耐薬品性にも優れ、強酸、強アルカリに対する耐性を有します。 材料の種類によって、性状の異なる以下の3種をラインナップしています。

◇PEタイプ:ややコシのあるシート形状
 ※材質:ポリエチレン樹脂
◇EVAタイプ:やや弾性を持つシート形状
 ※材質:エチレン/酢酸ビニル共重合体
◇Tタイプ:柔軟弾性を有するローラー形状
 ※材質:ポリオレフィン系エラストマー樹脂
◇Rタイプ:柔軟弾性に加えて可塑剤無添加のローラー形状
 ※材質:ポリオレフィン系エラストマー樹脂


フッ素系スポンジ

特殊フッ素樹脂系スポンジ (商品名:フローラス)

特殊フッ素樹脂系スポンジ (商品名:フローラス)特殊フッ素樹脂を独自にコンパウンドすることにより、フッ素樹脂の特徴と柔軟弾性を併せ持つ連通多孔質体となります。一般的なフッ素ゴムに含まれる、架橋剤や安定剤などの添加剤を含まないためコンタミリスクも少ないことも特徴です。

・強酸/強アルカリや酸化剤等に対する耐性に加え、UVや放射線への暴露など過酷な環境においても安定した性状を維持します。